top of page

研究テーマ

 3LL肺がん細胞ではGM3発現にばらつきがあり、高発現細胞ほど悪性度が高いことが報告されていた。我々はGM3を強制発現させた細胞では足場非依存性増殖やアポトーシス抵抗性が増し、腫瘍悪性形質が亢進することを明らかにした。分子機構としてPDGFα受容体発現低下を確認したが、悪性化との因果関係は未解明である。しかし、膜脂質組成が広範なシグナル制御に関わる可能性が示唆された。

 一方で、レプチン欠損マウスと3T3-L1細胞を用いた解析で、脂肪細胞の慢性炎症に伴いGM3発現が上昇し、インスリン抵抗性が誘導されることを明らかにした。薬剤でGM3量を低下させるとインスリン感受性が回復し、GM3は代謝制御因子として注目された。現在も「膜脂質が炎症と代謝を制御する」という新たな視点を拓いた研究として、代謝疾患治療の可能性を刺激し続けています。

スフィンゴ糖脂質GM3を
合成する酵素に結合する
糖鎖の働き

 GM3合成酵素(GM3S)は3か所のアスパラギン(N)結合型糖鎖が酵素活性に必須とされるが、生物種によってはこれらの部位が糖鎖付加しない配列に置き換わっていることがある。この点に着目し、マウスGM3Sに他生物種由来の配列変異を導入したところ、糖鎖を欠いても活性が保たれる変異体を得た。これは、糖鎖が形作る立体構造を模倣できるアミノ酸配列であれば酵素活性が維持されうることを示し、糖タンパク質の構造予測に新たな視点をもたらす発見である。

出芽酵母における
複合型スフィンゴ脂質合成酵素の活性制御メカニズムの解明

工事中

出芽酵母における
高圧&低温ストレス適応

工事中

転写因子GATAと炎症

工事中

bottom of page